東北鉱山情報−補遺

1999.5.22作成


昭和17年発行の「東北鉱山風土記」から岩手県和賀郡近辺の鉱山を抜粋して紹介します。
ただし、この辺り一帯は「湯田ダム」のダム湖である「錦秋湖」の底に沈んでしまったため、駅名などはすっかり変わってしまっています。

1/25000地形図「陸中川尻」(NJ-54-20-1-3)と「和賀仙人」(NJ-54-20-1-1)が参考になります。
地図上に"廃坑" と印が付いています。

水沢鉱山

 銅・岩手県和賀郡岩崎村
 岩手県和賀郡岩崎村地内にあり、
 横黒線岩沢駅の南方五キロメートルの地点なり。

和賀仙人鉱山

 鉄・岩手県和賀郡岩崎村
 岩手県和賀郡岩崎村、湯田村及び横川目村に跨り、古来より有名なる銅、鉄の鉱山地域内にあり。
 本鉱山の最も主要なる鉱床たる遠平採鉱所は、省線和賀仙人駅より西南約四キロメートルの地点にして、
 平和街道(県道)筋にあり、和賀川に沿い、四方は急峻なる山岳地帯なり。

仙人土場鉱山

 鉄・岩手県和賀郡横川目村
 岩手県和賀郡横川目村地内に在り、古来より有名なる金銀銅硫化鉄山地域に属す。横黒線和賀仙人駅を距ること
 北方二キロ半にして、鉱物の運搬は和賀仙人駅より軌道の便あり。頗る便利の地なり。

綱取鉱山

 銅・岩手県和賀郡横川目村
 岩手県和賀郡横川目村字綱取地内に位置し、横黒線岩沢駅北側一キロメートルの所にして
 交通頗る便なり。この間玉村式架空索道の設置ありしも昭和十五年九月休山と同時に之を廃止せり。

鷲合森鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 岩手県和賀郡湯田村仙人山国有林内に位置し、横黒線大荒沢駅東南約三里半の所にあり、この間玉村式架空索道により全ての物資輸送によるほか交通機関なし。

卯根倉鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
  本鉱山は卯根倉坑、安久登沢坑、大荒沢坑、八万館坑の総称なり。

 卯根倉坑

  岩手県和賀郡湯田村南本内川の上流にあり、北行すること十二キロメートルにして横黒線大荒沢駅に達す。同駅より東北本線黒沢尻駅までは二十五キロメートル、奥羽線横手駅までは三十五キロメートルなり。

 安久登沢坑

  岩手県和賀郡湯田村元屋敷安久登沢駅にあり。
  大荒沢駅の南西本内川の流域にして、小荒沢林道または大石駅よりの村道を経て四キロメートルにして達す。

 大荒沢坑

  岩手県和賀郡湯田村、岩崎村に跨り大荒沢駅を距ること四キロメートル、南方仙人国有林にあり。
  以上各坑共鉱石及び物資の運搬は山元より大荒沢駅まで架空索道により運搬す。

 八幡館坑

  横黒線大石駅の南方三八五米、鷲ノ巣川下流にあり、交通頗る便利なり。

見立鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 本鉱山は岩手県和賀郡湯田村に在り、横黒線大石駅下車、和賀川の枝流南本内川を南進すること約三里にして鉱山所在地檜沢の上流鷲ヶ森山の北面に達する。当地方は有名なる鉱山地帯にして、鷲合森、卯根倉、大荒沢、赤石、天竺森、草井沢等の鉱山付近に存す。

大又鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 岩手県和賀郡湯田村地内に在り、我が国に於ける銅山地帯として古来より有名なる地域に存する高山なり。
 横黒線陸中大石駅より当方十町本内盆地に在り。

睦内鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 岩手県和賀郡湯田村地内に在り、この地方は我が国に於ける銅山地帯として古来より有名なる地域にして、本鉱山は実に本地方に於ける最古の鉱山なり。横黒線陸中大石駅より西方約三町、交通便なり。

翁沢鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 岩手県和賀郡湯田村字小繋沢第三地割内に位し、横黒線川尻駅より約0.5キロメートルなるのみにして交通至便なり。
 この間玉村式架空索道あり。

土畑鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 本鉱山は岩手県和賀郡湯田村地内に在り、銅鉱山として稼行中なり。横黒線陸中川尻駅の東南約三キロメートルの地点に位す。

鷲の巣鉱山

 金、銅・岩手県和賀郡湯田村
 本鉱山の所在地は岩手県和賀郡湯田村地内に在り、現在金鉱山として稼行中なり。位置は横黒線陸中大石駅東南約四キロメートルの地点に位す。
 当山は北上川支流なる和賀川の九里合川の支流鷲の巣川に沿い白土沢にわたり、奥羽中央山脈の深奥に位置するを以て、近傍は大小の山脈重畳し、平地は僅少なり。

銅森鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 本鉱山は岩手県和賀郡湯田村字下前西山国有林内にあり、横黒線陸中川尻駅より北方約二十キロメートルの地点に位す。

柳沢鉱山

 銅・岩手県和賀郡湯田村
 当山は岩手県和賀郡湯田村地内に所在し横黒線陸中川尻駅より和賀川支流の鬼ヶ瀬川に沿い荷馬車道路を遡ること約一里半にして鉱山事務所に到着し得る運搬交通便の地なり。

弁天鉱山

 銅・岩手県和賀郡沢内村
 岩手県和賀郡沢内村字蛭山部落に在り、省線陸中川尻駅より湯本温泉、新町を経て岩手郡雫石駅を結ぶ県道(雫石川尻線)をバスにて約二十キロメートルにして猿橋に至り、これより村道蛭山部落を経約1.5キロメートルにして鉱山に達す。

赤石鉱山

 金、銅・岩手県和賀郡湯田村
 岩手県和賀郡湯田村及び沢内村の両村に跨り省線陸中川尻駅の東北方約七キロメートルの地点にあり、横黒線陸中川尻駅より湯本温泉行きバスに乗り和賀川に沿い北に3.6キロメートルにして湯之沢に至り是れより村道を和賀川の支流湯之沢川に沿い東に遡ること三キロメートルにして鉱山に達す。
 鉱山より川尻駅まではトラックを通ず。本鉱山の付近に内の沢、槻沢、分沢、小又等の鉱山あり。


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T.Tada<多田 毅> tada@cc.nda.ac.jp
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