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削岩機の話(一)
明延探検坑道内部には操業当時の削岩機が何台か残してあります。
明延鉱山では、上向きに使うものを「ストーパ」横向きに使うものを「レッグ」と言っていました。
いつも思っていたのですが、その内部構造はどうなっているのだろう。 どうやって動くのだろう。
今までご案内したお客様からはそこまでの ご質問を頂くことがなかったので良かったのですが、もしも、 質問されたらお応えできませんでした。

先日、「日本の金属鉱山」をいつも見ていらっしゃる東京在住の方とご縁があり、 いろいろとご指導をいただけることとなりました。
誠にありがたいことです。さて、其の方のご蔵書をお借りして、 今読まして頂いておりますが、其の中に、 「鉱山機械」 三雲英之助著 朝倉書店 昭和35年2月15日初版があります。
(ご存知の方も多いと存じますが、「鉱山機械」という題名の本はたくさんの種類が出版されています。)
其の中に削岩機に関して詳しく解説されており、今までの疑問が解消しました。

現在、探検坑道の指導員の中には、明延鉱業所から出向して、 削岩機のセールスの仕事をされたエキスパートもおられます。
普段は其の方に教えていただいていますが、削岩機の歴史、 理論、構造などはこの本に教えられるところ大であります。
明延の削岩機は、広島の東洋工業と共同開発した型式もあり、 外国に売り込むためには、カタログだけでなく実際に現地に赴き、 その地質を見極めそれに応じた機種、ビット、使い方等を指導しなければならないそうです。
そういう仕事をされていたベテランが指導員として皆さまをご案内できるという事が 私達の小さな誇りであり、喜びであります。
話が横道にそれました。内部構造の話に戻しましょう。
作動原理が知りたかったのです。結論を言えば、ハンマー式なのです。 削岩機自体は、タガネを動かす機械です。岩石に孔を開けるのはタガネです。 では其のタガネを人の手に変わって削岩機はどうやって動かしているのでしょう。
先ず動力源は圧縮空気です。普通6から8気圧くらいの圧縮空気で削岩機は動きますが、 其の空気の力で、器械内部にあるシリンダの中のハンマーを往復させるのです。 そのハンマーがタガネの端を打つという仕組みです。これはまさに、人間が昔からやってきた、 鑿と槌による作業と全く同じことです。実際はハンマーに往復運動を与えるための自動空気弁、 送り機構、回転機構、岩屑処理装置、潤滑機構、削岩機の支持装置、更にタガネのロッド、 ビット等複雑になりますが、要は、人がやっていたことそのままに機械が動いているのです。

動力源の圧縮空気は、坑外のコンプレッサーで圧縮しそれを直径が30センチ位もあるパイプで 坑内に導いていました。今でもそのパイプは残っています。 パイプの中にはどうしても水とか、錆びとかが溜まりメンテナンスも大変だったそうです。
(続く)

坑内に圧縮空気を送るパイプ
養父市立あけのべ自然学校
電話番号079−668−0258

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Create:2007.01.21