Tochihara Mine<栃原金山>

栃原金山は茨城県久慈郡にあり、いまも操業している貴重な金属鉱山である。しかも金山。"陸奥の金"として歴史に名を馳せた東北・北関東にあって、唯一の金山なのである。
もっとも近年の金価格低迷により、採掘・製錬より「観光鉱山」としての比重が高まっていることは事実である。それでも「坑道」や「製錬工場」はいつでも稼動できる状態で整備されており、一般観光客にとっては"生きてきる鉱山に入れる"という魅力がたまらない。
付近には、三井系などの鉱山が幾つか存在したというが、現在では廃墟すら残っていない。(コンクリートの擁壁に名残をとどめるのみ。)その中で、ここ栃原にはいかにも鉱山らしい風景が残されている。



■入山受付

 
「天平の玉」栃原金山へ入山するには、まず事務所へ立ち寄ってウン百円の入山料を払う。ここでは金鉱石や"夢の砂"など、お土産物も購入できる。
「金鉱脈からしたたり落ちる天然水」でとびきり優雅な気分に浸りたい向きには、「金山水」(ペットボトル)も販売されている。これなら宅配便で届けてもくれるのだ。(照会:02957-4-1340 栃原金山まで)

 
事務所前には鉱山・坑道案内図がある。坑内車両も展示されているが、入坑すれば生きたのが見られる。


■坑道

 
坑口は"生きた鉱山"そのものだ。観光客向けに案内板が設置されてはいるが...

 
鉱石を運搬するのは508mm軌間のトロッコである。坑口から製錬工場まで500メートルほどあり、草むした線路が続いていた。

 
坑内では江戸時代に掘られた旧坑とクロスしており、身を屈めわずかの明かりで金鉱石を掘った重労働が偲ばれる。現在でも、急な梯子を上下する危険な作業であることに変わりはない。

 
鉱石を製錬工場まで輸送する「バッテリー機関車」。かつては日本のどこでも使われていたのだが...


■わんがけ体験

 
古来、砂金採りの手段として愛用されてきたのが「わんがけ」。"パンニング"とも言い、世界のどこにもある技法だ。ここでは誰でも金を手にすることができる。(有料)


■製錬工場

 
製錬工場が見学できるのも現役鉱山ならでは。昔「ねこ流し」と呼ばれた比重選鉱法が機械化されて生きている。(写真右は粉砕機(ミル)。)


■周辺地図


■交通

JR水郡線上小川駅下車。バスまたはタクシーで約15分。(約8Km)


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