鹿折への道鹿折(ししおり)金山

気仙沼から鹿折川に沿って北上し、JR大船渡線の鉄橋をくぐると鹿折金山跡への道標が見える。


 
鹿折(ししおり)金山は、宮城県気仙沼市の北部にあった金山で、肉眼で観察できるほど高品位の金鉱を産出したと記録に残っています。
江戸時代(慶長年間)ころから知られていましたが、本格的に採掘がはじまったのは明治30年頃からです。
その後軍需景気などに後押しされて発展し、一時は300名の従業員を擁する規模となりました。
しかし第二次世界大戦中の昭和17年、国策により金山は整理統制の憂き目を見ることとなり、ついに復活することなく閉山されてしまいました。
当時は全国で多くの金山が”不要不急”の烙印を押されて消えていきました。
 
鹿折金山でもっとも輝かしい記録は、約2250グラムの金鉱に1875グラムの金を含有した鉱石が出たことで、品位はなんと83%!
(現代の金山では1トン中の金の含有量が20グラムあれば経営が成り立つと言われていますが、その品位は0.002%です。)
ちなみにこの鉱石はセントルイスで開催された世界博覧会に出品され、モンスターと呼ばれたそうです。
 

現在の鹿折金山跡

 
看板(保存)・・松材の一枚板である  精錬所跡(プレハブが建っている)

  
(写真左)事務所跡・・左手のトロ道跡が見える (写真中)事務所跡には「四番坑跡・鹿折金山事務所跡」と書かれた標識が立てられている (写真左)坑口跡
 

資料と写真

   
鹿折金山にゆかりの深い中村さんに当時の資料を見せて頂きました。「分析原簿」「役員・雇員名簿」「製錬日誌」「鉱区図」やインゴット製造の写真など..
 

周辺地図と交通

周辺地図 交通:JR大船渡線 上鹿折駅から北西へ徒歩30分、車なら気仙沼から北へ12キロ。
 


 
◎このページの情報は、気仙沼市の小野寺優氏のご協力によるものです。
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