Ogoya Mine<尾小屋鉱山>
取材 1998.5.1 WEB化 1999.5.3
尾小屋鉱山は、石川県南部・白山山系に抱かれた 銅・亜鉛鉱山である。
天和2年(open 1682.A.D)に開山されてから、昭和37年(shutdown 1962.A.D.)に閉山されるまでおよそ300年間におよぶ歴史をもつ鉱山である。
その間、一時は銅の生産量が日本一を誇るなど豊富な鉱脈に恵まれていたが、鉱量枯渇・経済情勢の変化などに伴い採掘を終えることになった。
現在、「尾小屋鉱山資料館・観光坑道(マインロード)」として一般に公開されている。
■鉱山跡の状況
選鉱所や鉱山施設が立ち並んでいた地域は、雑草が生い茂るままになっている。
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鉱山資料館の上方に残されていた坑口。工事関係者のものらしき乗用車が停まり、内部には作業用の照明が点っていた。
■鉱山資料館
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鉱山資料館には、鉱山操業時の写真やビデオ、地質や鉱脈の解説、日本各地の鉱石、尾小屋鉄道の資料や写真などが展示されている。
■観光坑道(マインロード)
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観光坑道の入り口と内部。一部には素堀の坑道もある。
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坑道内部には江戸時代や現代の採掘方法を再現した人形が配置されている。過酷な労働が偲ばれる。
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坑内での鉱石輸送・ズリ搬送などに活躍したバッテリー機関車と鉱車も展示されている。
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坑内での点呼風景が再現されている。およそ観光客に喜ばれそうもない展示であるが、鉱山に寄せる熱い思いが伝わってくる情景である。
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坑内休憩所も再現されている。実際は坑口からはるか奥深くに設けられていたものであろう。観光坑道出口は真新しいコンクリート造りであった。
■操業当時
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昭和初頭の鉱山風景。写真左は選鉱所と思われる。写真右は事務所など関連施設が建ち並び活気を呈している鉱山風景。(鉱山資料館の展示より)
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(写真左)坑内電車の運転風景。 (写真右)立坑ケージ(エレベータ)に鉱車を積み込むところ。(鉱山資料館の展示より)
坑道断面図(鉱山資料館の展示より)
■尾小屋鉄道
尾小屋鉱山の鉱石や人員を輸送するため、大正8年(open 1919.A.D)に開設された。レールの幅が2フィート6インチ(762mm)と狭く軽便鉄道と呼ばれたが、鉱山と運命を共にし、昭和52年(shutdown
1977.A.D)に営業を廃止した。
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(写真左)現在の尾小屋駅跡 /(写真右)昭和50年頃の尾小屋駅、駅舎の正面に日本鉱業の紋章(丸印)がつけられているのが見える。
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(写真左)鉱石積み出しに賑わった頃の尾小屋駅。(鉱山資料館の展示より) /(写真右)現在の尾小屋駅構内。保存車両のための屋根が設置されている。
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尾小屋駅風景(昭和50年)・・・鉱山が閉山となり、寂しくなった町に行商のおばさんが降り立っていく。
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現在の足は一日3便の路線バス。尾小屋鉱山を訪ねる場合はバス便の時刻を確認しておくことが大切である。
■周辺地図と交通
交通:
北陸本線 小松駅からバスで約50分、終点「尾小屋」下車徒歩20分
バスは便数が少ないので時刻の確認が必要<小松バス(TEL0761-22-3721)>
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