花岡鉱山は、「黒鉱(Kurokou)」を産する鉱山として一躍有名であった。
残念なことに、国内外の鉱業を取り巻く環境の変化により、平成6年に閉山に追い込まれた。
私が花岡を訪ねたのは、閉山直後の8月である。
秋田県北鹿地域は、昔から「黒物」という名称で銅・亜鉛を多量に含む鉱石を産出していた。
その鉱石は、現在「黒鉱」と呼ばれ、世界でも日本に特異的に産出する鉱石で、英語でも"Kurokou"なのである。
黒鉱の成分は、主として銅(約2.5%)、亜鉛(約4.2%)、鉛(約1.3%)であるが、金・銀・ガリウム・テルル・モリブデン等も採取できるという。
(写真左)花岡鉱山の本部。 (写真右)大館側から見た花岡鉱山。中央の雑草地は、昔鉱山鉄道が通っていた跡地である。
花岡の支山である「深沢鉱山」の坑口。
☆参考文献:鹿園直建著「地の底のめぐみ−黒鉱の化学」(裳華房)