Mining Railroad<明神(めいしん)電車>

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Update: 2002.8.18


 明神(めいしん)電車とは、明延鉱山で採掘された鉱石を6キロほど南東に下った神子畑選鉱所まで搬送するために建設された軌道である。軌間は2フィート6インチ(762mm)である。後年「一円電車」としてマスコミに取り上げられ、有名になったが、本来は従業員・家族の便乗を許していただけであり運賃を徴収していたのではない。(1円取ったのは乗車人員を数えるためだったという。)
 閉山(1987年)から10年経った今日でも、明神電車の軌道はかなりの部分が撤去されずに残されている。約4キロのトンネルは閉鎖されているが、内部は恐らくそのままであろう。車輌は明延のバス停前・西部地底ゾーン探検坑道前・生野鉱山前にそれぞれ保存展示されている。

このページでは、昭和40年台の写真で当時を偲びつつ、現状の姿も紹介したい。
2002年には明延側に観光トロッコが登場し、線路の幅は明神電車と同じ762mmが採用された。一円電車にそそぐ地元の情熱が結晶した軌道である。


軌道跡

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明延鉱山操業当時の情景。明神電車は山の中腹まで登らなければ乗車できなかった。

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明延鉱山側は1キロほどが地上区間。軌道は落石や崖崩れで不通箇所が多くなっている。

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<明延側坑口>  延長3937mの明神第2ずい道 <神子畑側坑口>
今は両坑口共ブロックで塞がれている。明神電車はこのトンネルをぬけるのに20分以上かかった。薄暗い白熱電球の灯る車内は護送車のようで、ゴトゴトと無気味な振動が永遠に続く恐怖の旅であった。内部は素掘りの狭いトンネルだ。

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神子畑は500mほどが地上区間。一部軌道が撤去されていた。

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神子畑の電車乗降所付近。いつ電車がきてもおかしくないような情景がある。

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昭和49年に撮影した神子畑選鉱所・乗降所風景。


現在の神子畑選鉱所。


保存車輌

 明延バス停前に展示されている一円電車。

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明延「西部地底ゾーン」に展示されている車輌。電動客車・バッテリー機関車・鉱車など、10両くらいある。

 生野鉱山(シルバー生野)前にも展示。

当時の時刻表

当時の時刻表

明延・神子畑周辺地図

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周辺地図

交通

<明延側>JR山陰線八鹿駅下車、明延行きバスで約1時間。(終点下車)
<神子畑側>JR播但線新井駅下車 神子畑行きバスで約30分。(終点下車)
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